radical-pluto’s golf diary

主にGolfの事について。まれにソフト開発/設計のメモ代わりとして。

何を持って豊かとするのか、あるいは日本の地方の疲弊について


いま、物凄い勢いで「日本の中流層」の生活文化のレベルがアジアに抜かされている現実 - ボンタイ

id:gudachanの上記の記事にて取り上げられている滋賀県高島市在住のものとして、一言。

 比較対象は問題ない?

まず、記事中で取り上げられているアジアの大都市で生活している人々と比較するならば、日本の側も東京・大阪などの大都市に住む人々と比較されなけ ればならない。あるいは、日本の滋賀県を取り上げるならば、アジア側の比較対象は大都市の人々ではなく、同程度の田舎さを持つアジアの地方と比較されなけ ればならない。

より具体的には、人口密度が同程度の地方/都市同士での比較をするべきだと提案したい。(もっと良い指標があるのかも・・・)

でも記事は同意できるよ

中国や韓国の人々の生活レベルが上昇してきているという事に関しては概ね合意できる。仕事上、アジア圏のエンジニアともつきあいが多いので、経済成長の恩恵を受けて、彼らの生活レベルが上がってきているのは会う度によく実感できる。

その一方で、中流層同士としての比較において、彼らが完全に日本の中流層と同じような生活レベルにまでキャッチアップしてきているかというと疑問が残る。

生活文化の定義として、彼らが購入できる物品の多様性と我々のそれを比較するならば、彼らの生活文化は確かに向上してきているといえる。

何をもって豊かとするのかは難しい

でも、人はパンだけで生きられるわけではない。人が生きていく上で、生活を構成する要素が仕事と家庭のみであると定義してしまう事はできない。具体的には遊ぶ事(趣味とか)も生活に含まれるのではないだろうか。

その遊ぶ事も含めての生活レベルで比較するならば、中国・韓国の人々の遊びの多様性は日本の人々のそれと比較して、未だに低いと言わざるを得ないというのが実感である。

大都市同士での比較においては文化的な多様性はそれぞれ同程度に享受可能かもしれない。一方で日本の地方において、そのような文化的な多様性を享受するのは難しい事は否めない。しかし、地方は地方でアウトドア文化を比較的簡単に享受できるという点がある。都市に住んでいて、毎週末にBBQを楽しもうぜっていうのはなかなかに難しいけれど、日本の地方の場合は結構簡単にできてしまう。隣の家どうしが離れているっていうのもあるけれど、そのような道具を比較的簡単に購入できるから。あるいは、滋賀県で言えば、琵琶湖っていうものがあるのでそこからウォータースポーツを結構お手軽に楽しめる。上海とかでもそういうのをやっている人はいますって言われたら、その通りだけど、たぶんその人は中間層ではない。

まあ、わかりやすく数値として比較するならばゴルフ場の数で比較してみると分かりやすい。日本のゴルフ場の数が2000個以上に対して、中国のそれは約300個である。


世界のゴルフ場数は198カ国で3万2300コース、ゴルフ人口は6,400万人-椿ゴルフ

ゴルフで生活レベルを比較するのってどうなのよという意見はあるかもしれないが、余暇の充実度合いとしては最もお手軽な指標だと思うので、ご容赦願いたい。

それでも楽観してはならない

ここまで、日本の地方の生活レベルはトータルで見た場合はまだまだひどいものじゃないよと主張してきた。しかしながら、それが日本の地方が疲弊しているわけではないという主張にはならない。

少子高齢化が地方では特に加速して進んでいる事は否めないし、それによる地方独自の文化の継承には支障をきたし始めている事は確かだ。文化の継承とは単に古いものをそのまま受け継げばよいというものではない。時代の展開にあわせて変えるべきところは変えねばならない。同時に、変えてはならないところが存在する事もまた認められなければならない。少子高齢化はこの流れを止めてしまう現象である。それは結局、地方の文化の死を招く。より具体的な影響としては、人口の都市への流出と経済規模の縮小の負のスパイラルを生じさせる。

しかしながら、これは大なり小なりGlobalな趨勢である。地方から都市への人口集中は今後もどの国においても進んでいくという予想が出ている。これは人口ボーナスを享受している国、あるいは人口オーナスを享受している国の両方で進展している事態だ。

この事態に対して、リベラル派は都市への人口集中による効率的な社会運営が可能になるとして、推進していくだろうし、保守派は都市化による多様な文化の喪失を危惧する事になる。(理屈上はその筈ですよね?) どちらの立場をとるのかというのはまさしく政治的な話であり、どちらも正しい主張であると思う。

ここからは人類の未解決問題である、マジョリティとマイノリティの対立の話になる。とはいえ、唯一の解決策らしきものがあるとするならば、それは地方の経済的自立という事になるのだろう。そして、それも茨の道である事には違いない。

あとはどうでもいい話だけさせて

平和堂は滋賀では田舎の総合スーパーと言う感じだが、中国店舗は直営スーパーのほか、日本や欧州の高級ブランドを販売する専門店をかき集めた高級デパートになっている。

平和堂が中国では高級デパート!知らなかった。平和堂すごい。でも平和堂って何気に電子マネー使える充実ぶりが半端なかったりして、便利なんですよね。さすが近江商人

有名デパート「高島屋」の屋号の由来は創業者が滋賀県高島市にゆかりがあるからだというが、残念ながら高島屋の滋賀店舗は存在しない。

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滋賀の県庁所在地大津市からファッションビル「OPA」が撤退したのは2004年のことだが、中国ではやはり上海OPAが有力ブランドを揃えている

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